近鉄バファローズの歴史

球団創設期/三原・岩本時代/西本時代/関口・岡本時代/仰木時代/鈴木・佐々木時代/梨田時代

近鉄バファローズ名選手

石渡茂/古久保健二/柴田佳主也/有田修三/井本隆/リチャード・デービス/羽田耕一/岡本晃/ハーマン・リベラ/佐藤秀明/山口哲治/伊勢孝夫/光山英和/金村義明/ベンジャミン・オグリビー/佐々木恭介/柳田豊/大成しなかったドラフト上位選手(高卒選手)/鈴木貴久/入来智/フィル・クラーク/村田辰美/小野和義/酒井弘樹/礒部公一/大石大二郎/村上隆行/真喜志康永/山下和彦/吉井理人/高柳出己/山本和範/高村祐/野茂英雄/水口栄二/及第点助っ人傑作選/山崎慎太郎/赤堀元之/新井宏昌/石本貴昭/石井浩郎/阿波野秀幸/中村紀洋

近鉄バファローズ名勝負

平野執念のバックホーム/ブライアント4連発/代打逆転満塁サヨナラ優勝決定ホームラン/江夏の21球/10・19

近鉄バファローズキーワード

日生球場/藤井寺球場/コンニャク打法/巨人はロッテより弱い

スペシャルコンテンツ

牛コンテスト/2007年度元近鉄バファローズ選手MVP/元近鉄バファローズ選手リスト/加藤哲郎さんのお店:猛牛軍団

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ブライアント4連発〜近鉄バファローズ名勝負4〜

1989年、前年の10・19の悔しさを晴らすべく、王者西武ライオンズに戦いを挑んだ近鉄。しかし、この2強の戦いに新生オリックスブレーブスが割り込み、前年を凌ぐ熾烈な優勝争いとなる。シーズンはいよいよ10月に入り、近鉄はこの3つ巴の争いの中で苦戦を強いられ、3位自力優勝の可能性が消滅した状態で敵地西武球場での西武3連戦を迎える。10月10日の初戦相手エース渡辺久信を何とか攻略し先勝、自力優勝の可能性が復活する。しかし依然として西武断然有利の状況は変わらず、翌日が雨で試合が流れ、ダブルヘッダーとなって10月12日に組まれることになった。昨年の10・19に続き、雌雄を決する戦いはまたもダブルヘッダーである。

第1試合の先発は2年目の高柳出巳。連勝しか許されない近鉄だけに大方の予想はエース阿波野秀幸であったが仰木監督得意の奇襲先発である。しかし、高柳がその期待に応えられず、2回終了時点で0-4。相手は天敵郭泰源。この日も3回まで1安打投球。流れは完全に西武リーグ5連覇へ傾いていた。

4回、ブライアントのソロアーチが飛び出す。しかし5回に1点をまた追加され1-5。再び4点差。球場の近鉄ファンに重苦しい空気が流れる。

6回、思わぬところからこの試合最大の見せ場がやってくる。先頭の真喜志康永の四球を足がかりに大石大二郎新井宏昌が連続ヒットで無死満塁のビックチャンスを作る。そしてここで迎えるバッターはブライアント。球場がにわかにざわめきはじめる。郭の投じた初球だった。ブライアントの振り切った打球はライトフェンスによじのぼった平野謙一、そして西武ファンの呆然とした表情に見送られ、右中間スタンドへ消えていった。驚愕の同点満塁ホームラン。近鉄ベンチは一気にお祭り騒ぎとなる。

こうなると完全に流れは近鉄ペース。焦る西武ベンチは8回からエース渡辺久信をスクランブルで登板。迎える先頭打者はブライアント。渡辺久信の渾身の速球をこの男はピンポン玉のように打ち返す。打球は打った瞬間にそれとわかる特大ホームラン。ブライアントが一人でチームの全得点を叩き出した。しかも西武の誇る2枚看板投手からである。西武ベンチの衝撃は計り知れないだろう。近鉄はストッパー吉井理人が後続を締め、最高の形で第1試合を制する。

20分後、興奮冷めやらぬ中、第2試合がスタート。2-2の同点で迎えた3回。ブライアント、またこの男がやってくれる。第1打席は敬遠されたがこんどはセンターバックスクリーンへ叩き込んだ。流れというのは恐ろしい。緊張の糸が切れたのか西武投手陣はこの後、近鉄打線に積年の悔しさを晴らすかのごとくつるべ打ちにあう。終わってみれば14-4で近鉄が圧勝。3連戦前には圧倒的優位だった西武の自力優勝が消滅。翌日オリックスがロッテオリオンズに苦杯をなめ、近鉄にこの年初めてのマジックナンバー「1」が点灯した。そして翌14日、本拠地藤井寺球場で近鉄は歓喜の瞬間を迎えることとなる。