88年シーズン、あと一歩で優勝を逃した近鉄は翌年、優良助っ人オグリビーの引退に伴い、新外国人ドットソンを獲得する。前年途中獲得でブレイクしたブライアントと共に期待されたが、シーズンが始まると思わぬパワー不足を露呈。どっと損と思った球団は4月早々にドットソンに見切りをつけると、リベラというプエルトリコ出身の助っ人を緊急獲得した。
リベラは来日して即4番打者として出場。多少の粗さはあるものの、リーチの長さが特長でアウトコースのボールも器用にスタンドへ運ぶパワーがあった。守備は本職はサードだったが、こちらは粗さだけが表に出てしまい、再三、一塁悪送球でチームの足を引っ張ってしまう。しかし、途中からファーストリベラ、故障上がりから復調してきたサード金村義明の布陣が固まり、この守備の件に関しては不安は解消される。
打撃に集中出来るようになったリベラは夏場にかけて非凡な勝負強さを発揮。アベレージヒッターではなかったので、打てない試合は全く打てなかったが、チャンスには非常に強かった。また元ボクサーという異色の肩書きを持ち、藤井寺で一度死球に怒り狂ったリベラがオリックスの投手関口にそのまま直進し、パンチを食らわせるなど、いろんな意味で荒っぽかった。
89年のシーズンの終盤の逆転劇といえば「ブライアント4連発」がクローズアップされるが、リベラも負けず劣らずの活躍を見せている。
近鉄は10月初旬に西武への挑戦権をかけてオリックスと藤井寺4連戦を行った。第3戦をまさかの逆転負けで落とし、1勝2敗で自力優勝が消滅した近鉄はその日、佐伯オーナーの死というWショックに見舞われる。しかし第4戦、延長にもつれこむ激闘はリベラがサヨナラ3ランを放ち、チームを土壇場で踏みとどまらせた。さらにあの西武球場での3連戦では初戦で決勝ソロを放つ。ちなみにこの日のブライアント4連続三振。初戦で負けていれば残り2戦は意味をなさなくなっていただけに、貴重なホームランであった。
そしてマジック1で迎えた10月14日のダイエー戦。超満員の藤井寺のスタンドへ勝利を決定づける豪快なアーチをかかげた。とにかく89年の快進撃は彼の活躍なくしてありえなかった事だけは言える。残念ながら契約等の問題で好成績を残しながらこの年限りでの退団となる。ホームランを確信するとバットを高く放り投げるパフォーマンス、陽気でチーム思いの助っ人の近鉄での活躍がもう何年かは見たかったなあと思う。
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